アダルトチルドレン

病気・症状についてアダルトチルドレン

「アダルトチルドレン」という言葉は、子どものころに家庭でつらい思いをした人が、大人になってからも心の中でその影響を感じ続けていることを表します。

もともとは、お酒に依存している親のもとで育った子どもに使われていた言葉ですが、今では「家で安心して過ごせなかった」「親との関係に苦しさを感じていた」人も、自分をそう呼ぶことがあります。

これは病気ではなく、自分の心の状態に気づくためのやさしい言葉です。

アダルトチルドレンの人は、まわりの人に合わせすぎたり、自分の気持ちを言うのが苦手だったりすることがあります。

また、「失敗してはいけない」「ちゃんとしていないと愛されない」と思ってしまうこともあります。

こうした気持ちは、子どものころに「いい子でいなきゃ」とがんばりすぎていたことから来ているかもしれません。

表面では元気に見えても、心の中ではとても疲れていたり、ひとりで悩んでいたりするのが特徴です。

親がとても厳しかったり、いつも怒っていたり、逆に子どもにあまり関心を持ってくれなかったりした家庭で育った人は、アダルトチルドレンになりやすいと言われています。

たとえば、「親に本音を話すと怒られた」「自分よりも親の機嫌を優先していた」「ほめられた記憶があまりない」などの経験があると、大人になっても「自分は愛されないのでは」と感じてしまうことがあります。

こうした気持ちは、ふとしたときに人間関係の不安や生きづらさとして表れるのです。

まずは、「こんなふうに感じてしまうのは、自分のせいではないかもしれない」と気づくことが大切です。

あなたが悪いのではなく、子どものころの環境がそうさせた可能性があるのです。

誰かに話を聞いてもらったり、本を読んで自分の気持ちに向き合ったりすることで、少しずつ心が軽くなることがあります。

もしつらさが続く場合は、カウンセラーや医師など、信頼できる人に相談してみましょう。

一人で抱え込まず、助けを求めることは決して弱いことではありません。