適応障害は、現代社会において増加傾向にある、こころの病気のひとつです。
最近では、有名人や著名人が診断されたとニュースになり、病名を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
適応障害は決してめずらしい病気ではなく、誰でもかかる可能性がある身近な病気です。
本記事では、適応障害の具体的な症状や原因、治療方法などについて詳しく解説します。
適応障害とは
適応障害とは、周りの環境にうまく馴染めないことで強いストレスを感じ、日常生活や社会生活に支障をきたす病気です。 ほとんどの人がさまざまなストレス要因により、こころやからだの不調を一時的に訴えることはあります。 しかし適応障害では、原因となるストレス環境下で、日常生活や社会生活を送ることが困難になるほどの症状が現れます。 適応障害で見られる症状や、適応障害と間違われやすい病気の種類について解説します。適応障害で見られる症状
適応障害では、こころ、からだ、行動面においてさまざまな症状が見られます。 症状はストレスが起きてから3カ月以内に発症し、6カ月以内に落ち着くのが一般的です。 症状の現れ方や程度には個人差があり、それらの症状が日常生活や社会生活に大きな影響を与えます。 具体的にどのような症状が出るのかについて、詳しく解説します。こころの不調
適応障害では、こころの不調が見られます。 具体的な症状は、抑うつ、不安、思考・集中力の低下、イライラ・焦燥感などです。 ストレスの原因から離れると症状が落ち着き、比較的元気であることが特徴です。 そのため、周囲からは「甘えている」「怠けている」と誤解されがちですが、本人は非常に苦痛を感じています。からだの不調
適応障害では、からだの不調が見られることもあります。 主な症状は、不眠、倦怠感、過呼吸、動悸、食欲不振などです。 そのほか、喉のつかえ感や胸の圧迫感、咳、腹痛などの症状が出ることもあります。 精神的ストレスが要因だと自覚できずに、ほかの診療科を受診してしまうケースもあります。問題行動
適応障害では、行動面に問題が見られることもあります。 具体的な症状は、勤務態度の不良(無断欠勤や遅刻など)、暴飲・暴食、ギャンブル依存などです。 そのほか、ケンカや無謀運転などの攻撃的な行動、または虚言が見られることもあります。 適応障害ではこういった問題行動に対し、罪悪感を持ちにくい傾向があるのも特徴です。適応障害と間違われやすい病気の種類
適応障害と間違われやすい病気の種類として、下記のようなものがあげられます。- うつ病
- 統合失調症
- 心的外傷後ストレス障害(PTSD)