

月経前不快気分障害(PMDD)は、月経前症候群(PMS)の中でも、特に「心の症状」が強く現れる状態です。
月経前になると、ひどく気分が落ち込んだり、イライラしたりして、学校や家庭での生活に支障が出ることもあります。
症状は月経の開始とともに軽くなったり消えたりするのが特徴です。一時的な変化であっても、つらさが大きい場合は「心の病気」としてきちんと対処が必要になります。
特徴
月経前不快気分障害(PMDD)では、身体の不調だけでなく「感情の波」がとても大きくなります。
たとえば、理由もなく悲しくなったり、家族や友人に当たってしまったり、自分を責めてしまうような気持ちになることがあります。
中には、何もする気が起きなかったり、眠れなくなったりする方もいます。
これらの症状は月経が始まると数日以内におさまる傾向がありますが、日常に影響を与えるほど強くなるのが月経前不快気分障害(PMDD)の特徴です。

どんな人がなりやすいの?
月経前不快気分障害(PMDD)は、月経のあるすべての年代の女性に起こり得ます。

特に、ストレスを感じやすい方や、過去にうつ病や不安障害などの経験がある方は、症状が強く出やすいと言われています。
また、カルシウムやマグネシウムが不足していたり、生活リズムが乱れていたりすることも関係しています。
年齢に関係なく、中学生や高校生の方でも経験することがありますので、「若いから大丈夫」と思わず、自分の体の変化に気づくことが大切です。
どうしたらいいの?
まずは「毎月の心や体の変化」に気づくことが第一歩です。生理前に気分がつらくなる場合は、手帳やアプリで記録をつけてみましょう。自分の傾向が見えてきます。
つらいと感じたときは、ひとりで抱え込まず、学校の先生や保健室、家族、専門の医師に相談してください。
生活リズムを整えることや、適度な運動、栄養のある食事も大切です。必要に応じて、カウンセリングやお薬のサポートを受けることもあります。

まとめ

月経前不快気分障害(PMDD)は、「月経前に心の調子が大きく崩れる」病気です。
体の変化によって心に大きな影響が出ることは、決して珍しいことではありません。
大切なのは、自分の変化に気づいて、早めに声をあげることです。
つらい思いをしているあなたは、決して一人ではありません。
早めの相談と対策で、学校生活や日々の暮らしをもっと穏やかに過ごせるようになります。