

特徴
統合失調症にはいくつかの特徴的な症状があります。
まず「幻覚(げんかく)」という、実際にはない声が聞こえることがあります。たとえば、誰もいないのに「悪口を言われた」と感じるなどです。
次に「妄想(もうそう)」があります。これは事実ではないことを強く信じてしまう状態です。たとえば「テレビが自分のことを話している」と思い込むなどです。
また、「気分が動かなくなる」「人と話したくなくなる」「集中できない」などの気力の低下もよく見られます。
これらの症状は、本人にとってはとてもつらく、日常生活が難しくなることもあります。

どんな人がなりやすいの?
統合失調症は、特別な理由がなくても、誰にでも起こりうる病気です。

ストレスが重なったり、睡眠不足が続いたりすると、心のバランスが崩れて症状が出ることがあります。
また、家族の中に同じ病気の人がいると、なりやすい傾向があることもわかっています。
ただし、この病気になることは「心が弱いから」ではありません。
とてもまじめで頑張り屋さんな人ほど、知らず知らずのうちに負担を抱えてしまうこともあるのです。
どうしたらいいの?
まずは、ひとりで悩まず、家族や先生、医師などに相談しましょう。
治療には「抗精神病薬(こうせいしんびょうやく)」というお薬が使われます。
これは、脳の中で過剰になった“伝える物質(ドパミン)”の働きを整えるものです。
薬だけでなく、生活リズムを整えること、安心できる環境をつくることもとても大切です。
もし学校や会社に行くのがつらい場合は、休むことも必要ですし、病院ではリハビリを行う「デイケア」などの支援もあります。
大切なのは、「よくなっていくまで、焦らず少しずつ進むこと」です。

まとめ

統合失調症は、こころの調子が大きく乱れてしまう病気ですが、正しい治療を受ければ回復を目指せます。
「なぜこうなったのか」と自分を責める必要はまったくありません。
あなたのせいではなく、病気がそうさせているだけです。
薬やまわりのサポートを受けながら、自分のペースで回復していくことが大切です。